現場で使える・豆知識
さまざまな職種と呼び方
「大工」とひとくちに言っても、仕事によって異なる大工がいます。
- 型枠大工・・・コンクリートを流し込むための型枠を作る
- 造作大工・・・和室の仕上げや室内の木製間仕切壁などの木工事を行う
- 土工・・・土とコンクリートを扱う職種のことで、基礎や地下の躯体工事のために土を掘ったり埋めたりする仕事をしています。また型枠の中に柔らかいコンクリートを流し込んだりもします。
- 鳶工・・・クレーンを使って鉄骨を組み立てるのがの仕事である。鳶工は他に足場を架ける、仮設のクレーンやリフトを組み立てるなどの仕事を行う。
- 鉄骨鳶・・・「鳶工」でも、鉄骨の組立てを行うのが「鉄骨鳶」。 重い設備機器の据付けを行うのが「重量鳶」と呼ぶこともあります。「鳶工」は、現場では「工」をつけず「とび」と呼ばれています。
建築現場で仕事をする職種は、塗装工、電工、配管工、ボード工、クロス工などまだたくさんあり、さまざまな職種の人がお互いを、「電気屋さん」、「はつり屋さん」、「こわし屋さん」など「さんづけ」で呼び合っています。
「丁場」とは
「丁場」とは、もともと「一つの指定された場所で仕事をする」という意味があり、職人の作業場所といった意味で使われてきた言葉です。
また、丁場に関した言葉ではその他に、業者が異なる工事現場が隣り合わせてある場合の「隣り丁場」や同じ現場の中で2つ以上の業者が作業する場合の出会い丁場という言葉もあります。
「出会い丁場」は、JV(ジョイントベンチャー)を職人的に表現した言葉と言えます。
リーダーをさす言葉
- 頭・・・鳶の世界で、「頭(かしら)」とは、町場における鳶の親方のことをいいます。
- 棟梁・・・「棟梁(とうりょう)」とは、大工の親方のことです。 これも町場で使われる言葉で、建物の設計・施工や大工の取りまとめまでの一切を取り仕切ります。?
- 職長・・・野丁場において複数の職人のまとめ役をといいます。 「親方」は職長とは全く異なる言葉で、「親方」はあくまで雇用者・経営者のことをいいます。
建築現場にいる「親」とは?
建築現場には、いろいろな「親」がいます。 「基になるもの」とか「大切なもの」という意味で使われます。例えば、クレーンの腕の部分(ブーム)も「親」と言ったりします。
- 親綱・・・「命綱(いのちづな)」のフックを掛けるために張った仮設のロープのこと。「親綱」には繊維ロープやワイヤーロープが使われています。
- 親杭(おやぐい)・・・掘削した地盤を土圧や水圧によって崩れないように支持させるために山留(やまどめ)をしますが、山留めにおいて、土中に一定間隔でH鋼を打ち込み、そのH鋼とH鋼の間に厚い板を差し込んで山留め壁を作るH鋼のこと。
- 親墨・・・建築物を設計図の寸法どおり造るために床面に記す基準となる墨のこと。
厚さが特別な薄鉄板
薄鉄板の厚さのあらわし方は特殊で1.2ミリ厚の薄鉄板の場合、「てんに」といいます。 「いちてんに」の「いち」を省略するわけです。0.2はあくまで「れーてんに」、「コンマ2ミリ」です。
建築現場でよく使われる5つの「番」
- 番割(ばんわり)・・・職長が作業開始前に作業分担を行うこと。
- 相番(あいばん)・・・工事をする際に、業種の違う作業者が共に作業すること。
- 番付(ばんづけ)・・・建物を組み立てたり、解体したりするときに、柱、梁(はり)、桁(けた)などの部材につける符号。
- 箱番(はこばん)・・・現場の詰所などの小型仮設建てものの呼び名。
- 番線(ばんせん)・・・足場固定用の針金。
「水」が一番頼り
建築がどんなに進歩しても、肝心な水平の確認には、昔も今も「水」が活躍しており、 水面が常に水平である性質を利用して建築物の水平の基準を出しています。
水平器は、過去に水が平らである事を先人の職人たちが発見し作られた道具で、現在では、「レベル」という測量機器で水平の墨出しを行っています。
レベルにも当然「水」が使われており、レベルには、硬貨大の透明ガラスの中心に小さな穴が書いてあります。その円とガラスを通して見える水泡が重なれば、レベルが水平になっている印です。
このように、もっとも基本である重要な水平の確認に、精密な機械であっても「水」が頼りにされています。
建物の精度を表す言葉
- 「矩」(かね)・・・直角のことで、直角になっていないことを「矩が出てない」と言ったりします。
- 「撥」(ばち)・・・形が末広がりになっているところから、本来は平行であるべき線が広がっている状況を「撥になっている」といいます。
- 「陸」(ろく)・・・水平のことです。平らな屋根を「陸屋根」といい、水平に打つ墨のことを「陸墨」といいます。
ノンプリズムトータルステーションで計測する場合、プリズムは不要?
ノンプリズムトータルステーションを使用する場合でも、 機械を据え付ける場所の座標(機械点)を出す場合、プリズムが必要になります。
セオドライトとトータルステーションの角度検出方式
測量機には角度を測定する機械セオドライトや角度と距離を測定するトータルステーションがあります。
- インクリメンタル方式・・・「インクリメンタル方式とは、分度盤の全周に等間隔で刻まれたスリットの数を加算(インクリメント)することで、角度の変化量を求める方法です。
- アブソリュート方式・・・アブソリュート方式とは、分度盤に書き込まれたパターンを読み取ることで現在の角度を求める方法です。
レベルの違い
- 自動レベル・・・自動レベルとは、視準線(レベルの望遠鏡を覗いたとき中に見える十字線と、その十字線と標尺が重なって見える位置を結んだ線)を水平にするための自動補正装置を内蔵しているレベルのことです。
- ティルティングレベル・・・自動補正装置が付いていないので、内蔵されている棒状気泡管を用いて手動で視準線を水平に合わせます。自動レベルが登場する前は、すべてのレベルがこの形式でした。しばらく前までは超高級品と廉価版に分かれた形で使われていましたが、現在ではほとんど用いられなくなりました。
- 電子レベル・・・従来のレベルとまったく異なり、標尺の目盛の読み取りを自動にしたものです。そのため、標尺も特殊なもの(バーコードなどのパターンが印刷してある)を用いなければなりません。
- レーザーレベル・・・これまで記載のものとは異なり、いわゆる"レベル"という範疇には属しません。公共測量にも使用できませんし、精度もかなり落ちます。レベルという名前は付いていますが、本来はレーザー照準機や墨出しレーザーなどと同じ"レーザー機器"の仲間です。
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